専門職としての生活訓練/入浴:洗髪編

くるみラボでの入浴訓練、髪の洗い方についてご紹介します。

早速ですが、

『シャンプーいつから、ひとりでできるの?』

シャンプーは4~5歳ころから、自分で行う「ひとり洗い」が始まると言われています。しかし調査によると、シャンプーは8歳ごろまで半数以上の家庭で、大人が「仕上げ洗い」をしているようです。

子どもが自分で行なうようになることは喜ばしいものの、きちんと洗えているか不安だったり、親が洗った方が手早く効率よく洗えるとの声も聴かれます。

髪を洗わないとどんな気持ちや体の変化がおこるでしょうか。

★頭皮や髪が気持ち悪い

毎日髪を洗うことに慣れてしまっていると、1日髪を洗わないだけでも、ベタベタ感などの不快感を気持ち悪いと感じてしまいます。気持ち悪いと感じるということは、多少なりとも精神面にストレスがかかっている状態です。

★1日分の汚れや過酸化脂質が落とせない

髪を洗わないと、一日で溜まった汚れや過酸化脂質(皮脂が酸化したもの)が肌にダメージを与え、頭皮や髪にとってマイナスとなります。

★ヘアアレンジがしにくい

髪を洗わなかった次の日は、前髪や頭頂部分がペタッとなります。

★匂いが気になる

髪を洗わないと、周りに汗などの匂いがしていないか気になります。

★シラミやアタマジラミの感染予防

髪の毛の接触によって感染するものですが、きちんと洗髪することで減らすことが期待できます。

この様に自分にとってストレスや体調不良の原因になるのであれば、やはり髪は毎日洗った方がいいでしょう。

では、髪を洗うことが苦手な理由、きちんと洗えない理由は何なのでしょうか?

・手先の不器用さがあり、腕や手首の動きがぎこちない

・両手がうまく使えない

・腕を高く上げ、目でみえない頭のうえにお湯をかける動作が難しい

・シャンプーやコンディションを流し終えたか、髪を触って手指の感覚で判断できにくい

・シャンプーを流すときに、頭の泡を流したいところにお湯をピンポイントにかけることが難しい

・周りに水が飛び散らないようにシャワーを下向きにしたままシャワーヘッドを動かすことが難しい。

・保護者が教えたことはなく、見よう見真似で、なんとなくできている

などなどあげられます。

洗髪訓練では

手の形を模倣するところから始める

片手ずつ順番に動かす方法を伝え、両手がうまく使える。

みえない部位をイメージし、ものをみる力をつける。

鏡をみながら動きを確認して、身体イメージをとらえる。

等々に取組んでいます。

洗髪動作が自分でできるようになるかどうか、

日々の生活の中で見れば、ただ入浴の一動作と思われるかもしれませんが、

そういった、日常の小さい「できた」の積み重なりが、子供にとっては重要になってきます。

家族との安心できる環境の中で、1つでも「できた」経験をつめると自尊心が育ちます。自尊心が育ったお子さんは、どのような場面でも自分の力をのびのびと最大限に発揮できるようになると考えています。